書きかけ昇華9-1500円

年が明けて3日が経った。夜とか朝とか起きてるとか寝てるとか酔ってるとかシラフとかの区別が自分でもつかない3日間だったので3日経った気がしない。ついさっきそこの換気扇の前でビールとタバコをやりながら年越した蕎麦を作ってたら父親に怒られ、あ、すいません、と言いながらケータイを確認したら年を越していることに気がついた気がする。気がついた気がする。(結局は全部気持ちの問題だ、というのが最近の見解なのでこのフレーズを2回繰り返してみた)

 

とりあえず元旦の朝は、やたら朝早く起きて、家にいたら死んでしまうように思われたので映画を観に出かけようと決めて、それに先立って若松孝二の映画を観なければならず、「11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち」をAmazonプライムで観た。悠里から連絡が来たので12時ごろに吉祥寺で落ち合って映画までお茶をしようとなった。結局ずるずると出発が遅れて14時前に吉祥寺についた。16時ごろからの「止められるか、俺たちを」を観るつもりだったので2時間くらいくぐつ草でお茶をした。私はコーヒーではなく珍しくシナモンココアとかいうクソ甘くて3口で飽きる事が目に見えている飲み物を飲んだのだが、800円なだけあってココアというよりホットチョコレート?(この2つの飲み物の違いがよく分かっていない)のようで、甘くて喉が焼けるようだったけど、濃厚なチョコレートケーキを食べてるつもりになって最後までまあまあ美味しく飲んだ。

悠里ととても良い話ができたのでふわふわしたいい気分になった。

 

映画の話とDIYみたいな映画館の話は端折ろう。

映画の後の悲しい悲しいビールとハイボールの話も端折ろう。とても悲しくて井の頭線の中で半泣きになるほどだった。お家に帰ってからも悲しくてたまらなくて缶ビールを飲んだけど、なんの効果もなくてただ疲れただけだったので枕元に飲みかけのビールを置いて、化粧も落とさず、髪の毛はタバコ臭いままで、とりあえず眠った。

兄がバイトから帰ってきそうなことを感じとり、起き上がって風呂に入り、兄の帰宅を待った。あれ、これ次の日の記憶かな?まあいいや。

 

2日は、一緒に住んでない家族が実家に集まるやつをやった。こういう時いつも、私が住んでいるこの家が、誰かにとって正月とかに帰る実家だということをとても変に感じる。

実家にいる人間は、実家へ帰る人間たちにとってもう第1の家族じゃない。生まれた時から自分が所属している家族と、自分の意思によって作った家族は全く違うものなんだろうな、と想像する。わたしにはまだ分かり得ないことなんだが。

最近、家族ということについて考えると胸が少し苦しくなる。いろいろ思うことがある。本当に、いろいろと。家族というワードはどうしても感情の揺れ無しには語れない。苦しみの1つだなあ。

ともかく、この日はひたすら映画を観て終わった。

 

3日、今日。

初っ端から悲しい日だった。映画を観に朝早く出かけ、電車を逃すまいと改札を急いで抜けたら、まあまあ数の人の前で両手と両膝をつくタイプのコケ方をした。これは今思うと全然大したことじゃない。文字にするまで忘れてたしね。

映画は結局観れなかった。ニアミスでチケットが買えなかった。三が日ってあんなに映画館混んでるんですね、しかも名画座で!万引き家族やってるのユジクしかなかったから仕方がないのだけど、もうここで1つ心がぽっきりと折れました。とても折れやすいハートなのです。めんどうだな。

そしてほぼ同時にちょっと期待していた予定にも振られ、映画館の前の喫煙所で泣きそうになりながら空を仰ぎ、不機嫌の波が下の方から追い寄せてくるのを感じ、ヤバイぞ、ととりあえず自分の機嫌を取るために高円寺まで歩いた。自分の機嫌の取り方というのが最近少しわかってきた。歩くのはとてもいい。歩きながら少し泣いて、泣きながら自分を正当化したり、自分を傷つけた(と思い込んでいる)相手に対しての文句を心の中で何度も何度も(言葉を変えて、言い直して、繰り返して)呟き、だんだん自分の勝手さが客観的に見えてくると、自分をひとりで責めるのも馬鹿らしいので、外の景色をぼやっと眺めて心を鎮める。本屋で本を買って、喫茶店で読んでやろう!(これが現在の1番の贅沢なので)と自分甘やかしフェーズに入り、本屋で読みたい本を買って、喫茶店へ行った。前に好きな人と行った喫茶店、三が日だから絶対開いてないだろうと諦めていたが、とりあえずのぞいてみると開いていたので機嫌が2レベ戻る。日頃の行いがいいからだな〜!と自分をよしよしする。全く良くないんだけど。

茶店でコーヒーを頼んで本を読み、甘やかしフェーズなのでお代わりまで許した。2杯で800円。買った本は全部で600円程。合わせてだいたい1500円。1500円という値段に既視感を抱いて思い出したが、この間買った靴も1500円。映画も1本1500円。悲しい気持ちで1人飲みしたあの飲み屋のお会計も1500円。

あ、わたし、いつも自分の機嫌を1500円で買ってる。

確かに丁度いいのだ。1000円では虚しいし、2000円は甘やかしすぎだ。1500円て、わたしの機嫌の価値に見合った値だな。

揺れやすくて、ちょっと風が吹けばひっくり返ってしまうようなわたしの機嫌だけど、1500円程度の重しがあれば、ほぼ確実に半日は機嫌がもつ。

1500円程度の価値のわたしの機嫌。やっすい。

でも100円じゃない。バイト1時間じゃ稼ぎきれない。手頃そうで、少し贅沢な気もする1500円。定食屋だったらステーキが食べれる1500円。

まあいいんじゃない、1500円の人間ということで。

実は今も、悲しみのカスが散らばったままだけど、そんな発見のおかげで少しだけ、すこーしだけ、ふふん、という気持ちになれたので今日はこれでおしまい。

 

 

 

ふむ、次はもっとブログらしいものを書こう。

 

おわり